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南海電鉄6000系電車

 南海6000系電車は、1962年12月に4ドア通勤車として製造された、同社初の高性能電車(カルダン駆動の主電動機を搭載した車両の総称)である。

 本系列は日本で初めて導入されたオールステンレスカーの三形式「バッド三兄弟」の末子である。この「バッド三兄弟」の名前の由来は、本形式を製造した東急車輛製造がライセンス供与を受けたドイツ・ティッセンクルップグループのバッド社(The Budd Company)である。

 本形式は当初、バッド社の台車を小型軽量化したものである軸箱梁式パイオニアⅢ台車(TS-702:動力台車,TS-702T:付随台車)を装備していたが、のちの更新工事でS型ミンデン空気ばね台車(FS-392C:動力台車,FS-092A:付随台車)及びミンデンドイツ式空気ばね台車(FS-355)に交換されている。

 ドアは現在の大手私鉄の通勤車としては珍しい片開式を採用しており、戸袋には窓が設けられている。片開式とはいえその開閉時間は短く、時にその姿からギロチンドアとも呼ばれる。制御器は日立製作所の超多段バーニア抵抗制御器(VMC-HTB-20AN)を採用している。これは従来の多段バーニア抵抗器よりも抵抗の段数を増加させたもので、その段数は56段に匹敵する(6200系の未更新車両に搭載されている多段バーニア制御器の段数は38段である)。そのため、本形式は従来の抵抗制御の車両と比べ、まるでVVVFインバータ制御の車両のような滑らかな加速が可能である。この制御器は本形式のマイナーチェンジにあたる6100系にもそのまま採用されており、その後台車を交換、形式名を変更し6300系になった現在でも両形式で変わらず使用されている。2018年1月現在、最初に製造された6001fのうちの三両は55歳を迎えているがこの形式に廃車になったものは一両もおらず、デビュー当時から高野線で運行され続けているため、それを称える意味で時に不死鳥と揶揄されるようになった。しかし2018年2月末に南海電鉄より公式に新形式への置き換えが発表されており、2023年度までに全車現役を退く予定である。

6001f(6001-6601-6602-6002)

 6001fは、のちに編成に組み込まれた6602を除いて、1962年12月に6000系で最初に運行を開始した編成である。そのためこの編成には特筆に値する特徴が存在する。

 まず初期生産グループである6001f~6007fの四編成に共通する外見上の特徴として、貫通扉窓がHゴム固定で、以後の編成と比べ縦に大きいものであることが挙げられる。また、

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